お茶の読み物
第6章【お茶をもっと楽しむ―アレンジと活用】
お茶をもっと楽しみたい!という方へ、応用編。
1.水出しフルーティー
冷蔵庫でゆっくり抽出すると渋みが出にくく、香りがきれいに立上がります。基本分量=容器容量(ml)÷100=茶葉g(例:1,000ml→約10g)。抽出は必ず冷蔵で、当日~翌日を目安に飲み切り。果物は香りが移ったら取り出して保存を続けます。
緑茶ミントティー:水 750ml、緑茶 7.5~10g、ミント適量、レモンスライス適量。冷蔵2時間。レモンは出過ぎる前に除くとバランス◎。
和紅茶フルーティー:水 750ml、和紅茶 7.5~10g、オレンジ&リンゴ適量。冷蔵2時間。柑橘は好みで入替えOK。ほうじ茶でも香り良く仕上がります。
2.ラテ&チャイ(デイリーアレンジ)
抹茶ラテ(ホット):抹茶 2g+80℃の湯 30mlで溶く → 温めたミルク 120~150mlを注ぐ。
ほうじ茶ラテ:ほうじ茶 6gを95℃ 150mlで30秒抽出 → 温めたミルク 120mlと合わせ、甘味少々。
ほうじ茶チャイ(直煮):水 150ml+ほうじ茶 6g+生姜・シナモン・カルダモン少々を3~4分煮出し → 牛乳 150mlを加え沸騰直前まで温め、こして完成。
※乳を使うレシピは当日中に飲み切ってください。
3.スパークリング&シロップ
グリーンティー・ソーダ:濃いめの冷茶(例:煎茶 6g/80℃・60秒→急冷)50ml+無糖炭酸 150~200ml。
緑茶シロップ(作り置き):水 200ml+砂糖 200gを温めて溶かし火を止め、玉露or煎茶 10g投入 → 5分置いて漉し、冷却。冷蔵1週間目安。炭酸割り、かき氷、ドリンクベースに。
4.モクテル&カクテル(大人の楽しみ)
緑茶トニック(ノンアル):冷茶 60ml+トニック 120ml+柚子皮少々。
ほうじ茶ハイボール:濃いほうじ茶 60ml+炭酸 120ml+ウイスキー 30ml(お好みで)。
和紅茶サングリア:和紅茶 200mlにオレンジ・リンゴを短時間浸し冷却、ワインで割る(ノンアルはぶどうジュースで)。
※果物の漬け込みは短時間→取り出しが衛生的。
5.料理&スイーツ(茶殻も使い切る)
抹茶塩:抹茶1:塩9(例:抹茶5g+塩45g)。天ぷら・焼き物に。
ほうじ茶だし:ほうじ茶 6gを95℃ 200mlで1分抽出 → 味噌汁や煮物の香ばし出汁に。
茶葉ふりかけ:乾いた茶殻を軽く煎り、白ごま&塩少々。
緑茶ゼリー:濃い煎茶 250ml+砂糖大さじ2+粉ゼラチン 5g。冷やし固めて黒蜜や柑橘と。
6.氷・濃縮・持ち歩きのコツ
お茶氷:水出し茶を製氷しておけば、アイスが薄まらない。
濃縮ベース:水出し比率を3~5%(500mlに茶葉15~25g)で6~8時間冷蔵 → 1:2~1:3で希釈。
ボトル運用:直射日光回避、保冷剤+短時間の持ち歩きに限定。
7.ブレンドのヒント(香りの方向性)
爽やか:煎茶+ミント/レモンピール
香ばし:ほうじ茶+炒り米少量(玄米茶風)
華やか:和紅茶+柚子皮 or ラベンダー少量
すっきり甘い:かぶせ茶+乾燥リンゴチップ
※ハーブ/スパイスは0.5~2%から様子見で。
8.ほうじ茶をつくってみよう(自家焙じ)
抽出条件(湯のみ2杯分の目安):95℃/9g/30秒
古くなった緑茶も、焙じれば香ばしい一杯に。フライパンや焙烙を中火→弱火で温め、茶葉を絶えずゆすって焦がさないように加熱。甘い香りが立ち、均一に色づいたら火を止め、粗熱を取って完成。換気・火気に注意(キャンドル式器具はその場を離れない)。
9.粉末茶をつくってみよう(※抹茶やほうじ茶パウダーでも代用可)
抽出条件(湯のみ2杯分の目安):80℃/2g/点てる
ミルで挽いた茶葉(粉末茶)を、そのままお湯や水に混ぜるだけ。茶殻が出ず、成分をまるごと味わえます。料理(お茶漬け、製菓)にも便利。抹茶パウダーでの代用もOK。
10.和紅茶っておいしい!
国内の茶園で摘んだ葉を紅茶仕立てにした「和紅茶」は、渋みが穏やかでやさしい甘み、華やかな香りが魅力。紅茶向け品種(例:べにふうき)や緑茶の定番(やぶきた)由来など、品種×産地×製法で表情が大きく変わります。
11.お茶の活用法
茶香炉:焦げにくい茎茶(棒茶)が扱いやすい。火気は厳守。電気式はより安心。
染めもの:茶葉を煮出した染液で綿・麻を淡い"茶色"に。使い終えた茶殻の堆肥化も◎。
消臭:乾いた茶葉を布袋に入れて靴箱や冷蔵庫へ(吸湿・脱臭)。定期交換。
◆注意書き:安全・品質メモ(共通)
冷蔵(10℃以下)で抽出・保存し、長時間の常温放置は避けてください。
乳や果物を使うレシピは当日~翌日を目安に飲み切ってください。
カフェイン感受性・服薬中・妊娠中の方は量や時間帯に配慮してください。
器具は熱湯消毒 or 食洗機で清潔に、果物は十分に洗浄してください。
アルコールを用いるレシピについて:
お酒は二十歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中・授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく適量で。