お茶の読み物

第4章【味わいと淹れ方の基本】

お茶の味わいは、うま味・甘味、渋み・苦味、香ばしさ、青々しい清涼感のバランスで決まります。低めの温度ではアミノ酸由来のうま味が前に出やすく、高めの温度ではカテキンやカフェインが早く溶けて渋みやキレが立ちます。焙煎の効いたお茶は香ばしさが際立ち、露天栽培や浅蒸しの煎茶は青々しい香りが映えます。温度・時間・茶葉量を大きく外さなければ、あとは好みで微調整して"自分の正解"に寄せていくのがコツです。

1.味わいイメージ(テイスティング軸)

味わいイメージ(テイスティング軸)のチャート図
味わいイメージ(テイスティング軸)

2.種類別の淹れ方(目安:湯のみ2杯分)

※温度・分量・時間はあくまで基準。茶葉や器で前後します。

玉露…約55~60℃/茶葉8g/120~150秒

かぶせ茶…約60℃/茶葉6g/120秒

茎茶…約90℃/茶葉6g/30秒

深蒸し茶…約80℃/茶葉4g/30秒

粉茶…約95℃/茶葉4g/30秒

上級煎茶…約70℃/茶葉8g/120秒

煎茶…約75~80℃/茶葉6g/60~90秒

ほうじ茶…約95℃/茶葉9g/45秒

玄米茶…約90℃/茶葉9g/30秒

釜炒り茶…約90℃/茶葉9g/120秒

烏龍茶・中国茶…熱湯/茶葉9g/約60秒

(上級煎茶や玉露など"旨味重視"は低温・長め、"香り重視"のほうじ茶・玄米茶は高温・短めが基本の考え方です)

3.おいしい淹れ方の手順

湯のみで湯冷ましと分量を測る

① いったん沸騰させたお湯を湯のみで湯冷まししつつ分量を測る(器を温める意味もあります)。

急須に茶葉を入れる

② 急須に茶葉を入れる。

適温に下げたお湯を急須へ

③ 適温に下げたお湯を急須へ。蒸らし時間は上の目安を起点に調整。

回し注ぎで均一に注ぐ

④ 「回し注ぎ」で均一に:1→2→3→…と少しずつ注いだら、最後は…→3→2→1と戻って注ぎ切る。

※急須にお茶(お湯)を残さないのが次の一煎をおいしくするポイント。残っていると成分が抽出されて2煎目以降の風味が落ちてしまいます。

4.抹茶の点て方 茶道未経験の方もお気軽に!

お抹茶をいただく時に用意するもの

抹茶の保存方法
挽きあげた抹茶をすぐにパックしてあります。お求めになりましたら冷蔵庫へお入れ下さい。未開封の場合の賞味期限は約8ヶ月ですが、開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。家庭用冷蔵庫は湿気が多く、他の食品の雑臭がありますから、開封後は缶を二重にされるかラップで包んで下さい。また、冷蔵庫から出してすぐに蓋を開けると外の湿気を吸って湿りやすくなりますのでご注意下さい。

お抹茶をいただく時に用意するもの
・抹茶茶碗(マグカップでもOK)
・茶筅(ちゃせん)、くせ直し・抹茶

① お湯を沸かします

① お湯を沸かします。市販の軟水の天然水が向きます。水道水はしっかり沸騰させてカルキ臭を飛ばします。
【ポイント】どの水でも一旦沸騰。

② 茶碗を温めます

② 茶碗にお湯を入れて温め、湯を捨てて水気を拭き取ります。
【ポイント】水気が残るとダマの原因。

③ 抹茶を入れます

③ 茶杓山盛り1杯半~2杯(ティースプーンなら山盛り1杯)を目安に。
【ポイント】ふるいにかけると溶けやすい。

④ お湯を注ぎます

④ 50~60ccの80~90℃のお湯を注ぎます。

⑤ 茶筅で点てます

⑤ 茶筅を軽く浮かせて「m」を描くように攪拌→泡が立ったら表面を整えます。
【ポイント】腕やひじはあまり動かさずに、手首のスナップをきかせて茶筅を動かすようにする。

⑥ でき上がり

⑥ 泡が中央にふんわり盛り上がるように仕上げて完成。

5.急須(茶こし)いろいろ

ささめ(陶製微細孔)の急須

ささめ(陶製微細孔)
金属臭が出にくく、細かい茶葉でも目詰まりしにくい工夫のあるものも。常滑焼などに多い。

平網(注ぎ口に平らな金属網)の急須

平網(注ぎ口に平らな金属網)
取り回しが軽く、洗いやすい。

カップ(かご)網(着脱式)の急須

カップ(かご)網(着脱式)
網の種類が豊富。茶がらの処理がラク。

茶海(ピッチャー)

茶海(ピッチャー)
いったん受けてから湯呑みに分けると濃さが均一に。湯冷ましとしても便利。

6.水出し茶

水出し茶のボトル

ボトルに水1,000mlと茶葉約10gを入れて冷蔵庫へ。数時間~一晩で、渋み・苦味が出にくい、甘くまろやかな味わいに。深蒸し煎茶やかぶせ茶など、うま味の多い茶葉との相性が良いです。作った水出しは当日中に飲み切るのが衛生的。

冷抹茶/抹茶ラテもつくれる

ボトルやシェイカーに抹茶2gを入れ、冷水150~200ml程度でよく溶かして氷を加えれば冷抹茶。水を牛乳に替えれば簡単抹茶ラテに。ダマを避けるなら茶こしでふるってから溶かすと滑らかに仕上がります。

7.保存とお手入れ

茶箱

茶箱

缶(金属)

缶(金属)

茶筒

茶筒

キャニスター

キャニスター

チャック付き保存袋(密閉式)

チャック付き保存袋(密閉式)

※保存方法:高温、多湿は避け、移り香に注意。